オダギリジョー主演の韓国映画 『悲夢(原題)』 、日本公開が決まらない理由 [【ちょっと気になる 映画 】]
俳優オダギリジョーが、韓国映画に初めて主演していることで話題となっている『悲夢(原題)』の日本公開が決まらず、映画関係者が首を傾げている。
【Variety japan 2008/01/23】
キム・ギドク監督
『悲夢』は、韓国の俊英 キム・ギドク 監督の最新作。韓国の人気女優 イ・ナヨン が共演するラブストーリーだ。日本において、もっとも有名な韓国人監督のひとりであるキム氏の新作であり、その作品に人気が高いオダギリが主演しているのだから、日本の配給会社はすぐにでも手を出しそうなのに、現実はそうなっていないという。
正月公開の『カンナさん大成功です!』が日本では厳しい成績に終わり、相変わらず韓国映画は冬の時代が続いている。そうした韓国映画興行の難しい状況から、買い付けが行われないのかと思いきや、理由はそれだけではないようだ。
確かにキム監督の作品は、日本で公開されるたびに話題になるが、ヒット作品はない。作家性の強い作品を連発するために、映画評論家たちが誉めても、なかなか一般の人たちが関心をもつまでには至らないのだ。これは、日本の監督の場合でも事情は同じだろう。
ただギドク監督とオダギリの組み合わせは、日韓映画界にとって、ちょっとした事件であることは間違いない。こうした作品が、両国で成功すれば、両国の映画交流はさらに深まり、様々な可能性が拓かれていくことだろう。日本の配給業者の英断を望みたい。
オダギリジョー
韓国銀行によると、昨年1~11月の音響・映像サービスの輸出額は1億3,830万米ドル(約147億1,000万円)で前年同期比8.65%減少した。12月分はまだ集計されていないが、昨年の年間輸出額は2006年(1億6,920万米ドル)を下回るとみられる。
同分野の輸出額は03年の2,790万米ドルから04年は5,570万米ドル、05年は1億2,720万米ドルと年々増加していた。
文化日報によると、輸出額の減少の背景には、日本や中国などアジア地域で韓流が下火になっていることがある。
韓国映像産業振興院によると、日本で韓国ドラマを定期的に放送する地上波放送局は05年の65局から昨年(8月時点)は29局に減少した。映画振興委員会の資料によると、06年の韓国映画の輸出額は2,451万米ドルで前年比68%減少。特に、日本向け輸出は6分の1まで急減した。
中国では、韓国ドラマに対する審議が保留されたり、輸入企業に対する管理監督を強化するなど規制を強化するケースが増えているという。
サムスン経済研究所の研究員は、「ありふれたストーリーやスターに依存したマーケティングなどで韓流の人気が落ちているほか、嫌韓流の動きも輸出の妨げとなっている」と話している。
■ 新政権も文化産業強化
一方、政権引き継ぎ委員会はこのほど発表した政府組織改正案で、従来の文化観光部に国政弘報処と情報通信部の一部機能を移管した「文化部」を発足する方針を明らかにした。
文化部は、韓国が次世代の成長エンジンとして育成するコンテンツ産業に関する政策機能を一元化し、文化輸出を活性化させ、文化産業5大国入りすることを目的にしている。
これまでは、映画や歌謡、キャラクターなどの文化コンテンツは文化観光部、インターネットなど情報技術(IT)産業を基盤としたデジタルコンテンツは情報通信部にそれぞれ分担され、業務の重複や効率性の低下が指摘されていた。また、これまで国政弘報処が行ってきた海外広報機能を文化部に移管する。
文化観光部の関係者は、「このまま国内市場にとどまっていては文化産業の5大国入りは難しい。海外広報の機能と文化輸出拠点を一緒に活用できれば、韓国文化輸出の原動力となる」と話している。
韓国のキム・ギドク監督と日本の人気俳優オダギリジョーが手を組んだ映画『非夢』が日本で公開される見通しとなった。
日本の映画専門サイト「eiga.com」は先日、「キム・ギドク監督の映画 『非夢』の撮影は1月末に終了、08年中に日本公開されることが決定した」と報じた。
同サイトは、「映画『非夢』は過去の恋人の幻影を追い続ける男と、彼が“夢”の中で出会う美しい少女が織り成す幻想的な切ないラブストーリー」と紹介。だが、詳しい公開時期についてはまだ明らかになっていない。
また、「共演は『私たちの幸せな時間』で知られる韓国人女優イ・ナヨン。出演作の多くがカンヌやベネチアといった映画祭に出品されるオダギリに白羽の矢が立った」と伝え、『非夢』の映画祭進出を占っている。
事実、『非夢』は今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品が目標だ。
コメント 0